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父は空 母は大地

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  • 02-15,2007

どうしたら、空が買えるというのだろう?そして大地を。私にはわからない。風のにおいや水のきらめきをあなたはいったいどうやって買おうというのだろう?

わたしの体に血がめぐるように、木々のなかを、樹液が流れている。
私はこの大地の一部で、大地は私自身なのだ。

だから、白い人よ
どうかあなたの兄弟にするように、川にやさしくしてほしい

この本のタイトルは、日本語では「父は空 母は大地」だけど・・・。
英語版ではどうやら「Chief Seattle's Speech 1854」と言うらしい。
シアトル首長のスピーチ。

1854年、3年間に及ぶアメリカ政府と先住民たちの戦いの末、アメリカ政府が、先住民の土地を買い取り、居留地を与えようと提案してきた際に、先住民たちの代表であったシアトル首長が大統領に伝えてほしいと、行った演説のことなんだとか。

シアトルという土地の名前は、この首長さんのお名前からきているらしくて。
この言葉が、どれほど人々の心に響いたのが、わかるきがする。

このスピーチには、沢山の人の編集の手が加わっていると、解説に書いてあったけれど。
それでも、言葉の一つ一つから、ネイティブアメリカンの、全てを愛する心が見えて、なんだか心があったかくなってくる。

土地を買うと、申し出たアメリカ政府の言葉に、本当に心から困惑したんだろうな。と思う。
今では、土地の売買はビジネスとして当然のように行われていて、個人財産として扱われている。
そして、近年では、月の土地まで売買されているというのだから驚き。
けれど、彼らにしてみれば、これほどナンセンスなことはないと思うのだろう。

私が立っているこの大地は私の祖父や祖母たちの灰からできている。
大地は、私たちの命によって豊かなのだ。

何故大地を愛して、空を愛して、動物たちを愛するのか。
ネイティブアメリカンたちの思想を語る書籍は沢山あるけれど、これほどシンプルなものはないと思う。

この1854年のスピーチの中で、シアトル首長は、案じている。
大地がなくなること、砂漠が増えること、動物たちが絶滅していくこと。
喜びを感じる「生」ではなくて、ただ生きるためだけの「生」が始まることも。
周りまわって、全てが自分たちに降りかかるのだと、忠告もしている。

2007年。
150年以上たった現代で、この言葉に対して思いつくものがない人は居ないだろうと思う。
今に始まったことではない、昔から言われてきたこと。

思想。と一言で言ってしまえば、それは自分とは関係のないものになってしまうけれど。
同じ人間の言葉で、同じ地球に住むイキモノの言葉として聞けば
とてもリアルで、身近なものにかわってくる。

世界中の規模だけじゃなくて、自分と、自分の周りをかこむ人との関係にも言いかえられて。

明解で、言葉にできるような答えじゃないけれど、
なんだかとっても安心できる言葉が沢山並んでいるような感覚もする。

大地は私たちに属しているのではない。私たちが大地に属しているのだ。

大事な人にプレゼントしたい。
そう思える絵本でした。

「父は空 母は大地 対訳版」 寮 美千子

出版社: パロル舎

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