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適応障害とカウンセリング

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  • 10-15,2006

「適応障害とカウンセリング」という本を読みました。

「適応障害」ってなんぞや?
普通に暮らしていれば、たぶん耳にすることは少ないであろう言葉。
この書籍「適応障害とカウンセリング」の冒頭にも書かれているけれど、最近(といっても22004年のお話だけれども)宮内庁から公にされた皇室の雅子様の病名がこの「適応障害」というもの。

この書籍は、心の問題であるこの「適応障害」を抱えた人たちに対して、どう理解して助力していくか、そのためにどうしたらいいのか?というテーマでカウンセラー(臨床心理士)の立場からの視点と実際の実体験(診断?)を元にかかれたもの。

人間関係に疲れてしまった。
職場環境に疲れてしまった。

そういう小さな悩みにも、自分自身の答えを出すのに良いヒントが隠れている書籍だなというのが、私の正直で、素直な感想。

以下は、ちょっと小難しく考えた内容・・・・。

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こういう書籍というのは、ちょっと読もうにも気がひけるというのが、正直なところ。
それなのに、なんで私が手に取ったかというと、この著者である"井上敏明"先生の視点が面白いと思ったから。

障害に対しての見解・意見に、面白いというのが適切な言葉かどうかはわからない。
だけど、この著者の意見というのが面白かった。

適応障害を持つ人たちに共通している原因をあげて、それに対してどう対処すべきか、当人と家族に対して提案している。
その一方で、適応障害を診断する側であるカウンセラー(臨床心理士)に対して、診断の仕方や対処法に、率直に「それはどうよ?」と問いかけて、提案している。

この書籍のなかで、ポイントが当てられているのが不登校生。
それはあくまでも、この著者の臨床心理の実績のデータが不登校生であるだけ。
私と同年代、親の年代、もっと上の年代にもこの問いは、「なるほど」と思わせるし、書籍の後半では実際に学生以外にも視点を当てている。

そのいくつかの問いかけのなかで、記憶に強く残ったものは、いくつかあるのだけれど。
そのなかでも、カウンセラーに対しての言葉は、たとえばこう。

訴える人と身の不具合をカウンセラーや医師がどこまで的確に見抜けるかにかかっている。話は聞いているが、「何が起きているか」さっぱり理解できない、判断力の乏しい人では困るのである。
中学・高校の成長発達の段階で、早々と診断をつけてしまっていいものだろうか、と思いたくなる事例に遭遇することが多くなった。

10代というのは、精神的にも未発達で、成長していく年代。
個性もさまざまで、その個性も安定していない時期。
一方学校では、それぞれの教育方針がある。
その学校の教育方針に合わない個性を持った子が、毎日学校に通えば、ストレスがたまるのは当然のことだと、著者は肯定している。
これは、学生に限らず、小さなコミュニティでも同じ価値観の人間との交流よりも、違う価値観の人間との交流のほうがストレスがたまるのは、事実なわけで。
その学校の価値観に合わなかった子が「適応障害」や「人格障害」という診断を受け、大量の薬剤治療を受けるのは本当に正しいのか?という問い。

それに対して、著者は自身の患者に対して、転校や進学先を選ぶことを勧めることで、解決したというデータを紹介し、薬を出すよりもまず、環境を少しでも整えることを提案するのが最善ではないか?という提案をしている。

これ以外にも、病名を自慢げに言う学生がいることに対しての不安なども取り上げているし、両親の子供への接し方の不安も取り上げている。
というよりも、学生たちの心的ストレスの解決策のなかに両親は切っても切れない存在なのだろうと思う。
まぁ、当然のことだけれど。

ストレス社会といわれ、心理的病名が気軽に飛び交ったり「死にたい」という言葉が気軽に出てくるようになった現在に対して、この問いかけはなかなか本筋をついているように思う。
もちろん、私の個人的意見だし、この書籍全てが正しいとは思っていない。
けれど、適応障害という一つの病名だけでなく、人間のコミュニケーションを考えていくなかで、この内容はなかなか良いエッセンスになってくれるように思う。

「適応障害とカウンセリング」 井上 敏明

出版:朱鷺書房

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