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宇宙のみなしご

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  • 06-05,2006

野間児童文芸新人賞、サンケイ児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した作品。
陽子とリンという兄弟を中心に、4人の少年・少女たちが、生活のなかで、「お友達」ってなんだろう?っていうものの答えを見つけていう物語なんだと思う。

でも、作品の文章の中からは、そんなことを微塵も感じさせない。

少年・少女だから考えるあの独特な思考で、あの独特な世界観で。
さりげなく、一生懸命、毎日を生きている。
小さな悩み、小さな気持ち。
そういうそんなさりげない、一日の中での出来事が少しずつふくらんで、大事なことを見つける。

この本を読むと、なんだかいろいろと考えさせられると思う。
世の中は冷たくて、孤独だと思いがちだけど、そうじゃないんだなって思わせてくれる。

両親が共働きで忙しくてなかなかおうちにいないために、14歳になっても、生まれ方も、性格もかけ離れていても、仲の良い兄弟の陽子とリン。
陽子のクラスメイトで、優雅でほのぼのとした子だと思われている、内気な少女、七瀬さん。
陽子のクラスで仲間はずれにされ、パシリにされている少年、キオスク。

七瀬さんは、いつも一緒にいた3人の仲間たちの間で、いじめたり、いじめられたりの関係に飽き飽きしていて、グループから抜けたいと考えていた。
何事も、色々考えすぎてしまい、独りではなかなか踏み出せない自分の性格がイヤになっていた。

キオスクは、自分は前世から「選ばれた戦士」で、地球の人類滅亡の時に、立ち上がり、終結して、戦う戦士の独りなんだと信じていた。
でも本当は、自分をいじめている人が嫌いで、「死んじゃえばいい」って思う気持ちが、小心で外にだせなくて。
そういう、現実からの"逃避"だった。

それぞれ、悩みを抱えて、それぞれ、ケンカをして、笑って。
それが、なんだかすごく人間っぽいの。

書籍より抜粋(少々修正)

大人も子供もだれだって、一番しんどいときは、一人で切り抜けるしかないんだ
ぼくたちはみんな宇宙のみなしごだから。
ばらばらに生まれてばらばらに死んでいくみなしごだから。
自分の力できらきら輝いてないと、宇宙の暗闇にのみこまれて消えちゃうんだよ。

でもね、ひとりでやってかなきゃならないからこそ、時々手をつなぎ会える友達を見つけなさい。
手をつないで、心の休憩ができる友達が必要なんだよ。

ところどころのさりげない言葉が、心にしみるので、是非とも読んでほしい一冊。

「宇宙のみなしご」 森 絵都

出版:講談社

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