命のことば
著者:瀬戸内 寂聴
出版:講談社ISBN-10:4062129183
ISBN-13:978-4062129183
瀬戸内寂聴さんのことは結構誰でも知っているのではないかしら。
元々は、瀬戸内 晴美という名で本を書く方・・・つまり小説家だったんだけれど、今は出家して天台宗の僧侶さんです。
その後、八葉山天台寺の住職さんになり、そこで行う「青空説法」がとても人気になった方です。
今は既に天台寺の住職さんは引退されていて、京都は嵐山に、「寂庵」という庵をつくられて、そこで説法をされてるようです。
この本は、様々な書に残されたことば、様々な人たちが残したことばを、選りすぐってそのことばの解釈と、寂聴さんのことばを綴ったもの。
いのちと申すものは・・・という日蓮のことばから始まり、空海、千利休、マザーテレサ、正岡子規・・・よく聞く名前もいくつかある。
「仏道の者」に限らず、さまざまな世界のひとたちのことばを扱っているのが読みやすいきがするなぁ。
寂聴さんのコメントもなかなか面白いのです。
心に残ったのは、空海さんのこのことば。
「能く誦し、能く言うこと鸚鵡もよく為す。言って行わずんば何ぞ猩猩に異ならん。」
口にだして、ことばを沢山並べて沢山喋ることならオウムにだってできるよ。
自分がどんな立派なことを言おうが、それを実行しなくちゃ、猩猩(しょうじょう)と同じじゃん。
っていう意味。
猩猩っていうのは、中国の伝説上の生き物のこと。もののけ姫にも出てきます。
ショウジョウバエってのもここからきてるみたい。
お猿さんのような姿で、お酒が大好きで。はっきりいって、役にたたんのです。
もののけ姫にでてくる猩猩も、お猿さんみたいな形で文句だけいって石投げてましたな。
つまり、日本のことわざでいうと、「言うは易し行うは難し」ってところかしら。
口でならいくらでも言えるから、いろいろ言うまえに実行なさいよ。って話ね。
そこに対して、寂聴さんはこう書いている。
今の世でも、さも学があることを鼻にかけて、他を嘲り、自分は何も人のためになることをしない人間が多い。人の不幸や災難を見つけてすぐ駆けつけるボランティアをするのは、素直な若者や素朴な善人で、偉いといわれている人ほど、理屈ばかり並べて腰が重い。病人や老人の介護でも、なにもしない小姑ほど、介護している嫁に、口を出す。
あるいみ、この書籍は"瀬戸内寂聴流 ことわざ集"とでも言うべきかしら。
なかなか自分の心にくることばや、背筋を正されるような思いになることばが、沢山あります。
昔から、みな言うことは一緒で、行うことも一緒なんだなぁーと思わされるかもしれないね。
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