暗いところで待ち合わせ
著者:乙一
出版:幻冬舎
「死にぞこないの青」は、怖くてどうしても読めそうにないので、こっちを借りた。
目の見えない女と、男の話。
結末は、意外な展開だったけどあたしは結末よりも、メイン部分のほうが気に入った。
でも、楽しかったというよりは、悲しい物語に思えた。
目の見えない女ミチルと、人間関係が苦手な男アキヒロ。
不思議な出会いと、不思議な関係で、不思議な信頼関係。
でも、どちらも自分の「コンプレックス」が元で、人とうまく付き合えない。
自分の内面と戦いながら、自分をだましながら、上手に世間を生きていこうとするのに、実はそれが一番辛い方法。
どちらも違ったコンプレックスを持っていて、違った価値観を持っているのに、なぜか同じところで惹き合っていて、同じところで苦しんでいる。
「ひとりでも生きていける」と必死なのに、本当は「ひとりは寂しい」と思っている。
物語そのものよりも、物語のベースというか隠れた物語というか。
そういうもののほうが、あたしの心に響いた。
まるで自分の移し鏡のような人物を、自分をみるような目で読んでしまい、ハッピーエンドのような結末でも、なんだか後味が悪い。
多分、乙一の小説は、そういう
「だれにでも同じようにある思い」を表現するのが特徴的なんだろう・・・と思う。
二冊しかしらないけどね。
自分のダメな部分を静かに指摘された気分です。
- Newer: LOUVRE ルーヴル美術館展
- Older: Dresden ドレスデン国立美術館展
Comments:0
Trackbacks:0
- TrackBack URL for this entry
- http://www.krcube.net/sys_mt/mt-tb.cgi/633
- Listed below are links to weblogs that reference
- 暗いところで待ち合わせ from *cosmos* blog